1. 排卵とピルの仕組み
  2. 着床しづらい子宮内膜になる
  3. 精子が子宮に届きづらくなる
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排卵とピルの仕組み

説明する看護師

ピルを飲むと望まない妊娠を避けることができることはよく知られていますが、なぜピルを服用すると避妊が可能となるのか、そのメカニズムについてはあまり詳しく知られていません。
ピルを服用していると、排卵が起こらないようになるため、精子と卵子がくっつく可能性が少なくなります。
また、ピルを服用していると、たとえ精子と卵子がくっついて受精卵になったとしても、受精卵が着床しづらいように子宮内膜を変化させることによって避妊を可能とします。
さらに、精子の通り道である子宮頸管の粘膜も変化させるため、精子が子宮に到達しにくくなることによって避妊を可能としています。
このようなピルが避妊を可能とするメカニズムについて以下では詳細に説明していきます。

ピルで排卵を起こらないようにする

ピルは身体の中のホルモンバランスをコントロールすることができる薬で、排卵or受精or着床の各段階において避妊効果を発揮します。
まずは排卵の段階でのピルの避妊効果を説明していきます。
ピルには、女性の生殖機能を司る「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロンorプロゲストーゲン)」の2つが含まれています。
これらはまとめて女性ホルモンと呼ばれます。
ピルを服用すると血中の黄体ホルモンの量が増加します。
ピルを服用することによってこの2つのホルモンの血中濃度を高めると、脳が妊娠していると勘違いして排卵が起こらなくなるため、避妊が可能となります。

通常、排卵は脳から分泌される卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンと身体の中にあるこれらのホルモンによってコントロールされています。
脳から分泌されるホルモンである「卵胞刺激ホルモン」は、卵巣に作用することによって卵胞を発育させる効果を有しており、同じく脳から分泌される「黄体化ホルモン」は、成熟した卵胞に作用することによって排卵を促します。
これら2つの脳から分泌されるホルモンが卵巣に働きかけることで、卵巣から「卵胞ホルモン(エストロゲン)」と「黄体ホルモン(プロゲステロン)」が分泌されるようになります。
卵胞ホルモンは子宮内膜を厚くしたり、子宮頚管粘液を分泌することで精子を通りやすくする働きをしています。
一方、黄体ホルモンは子宮内膜の発育を抑えたり、基礎体温を高めたりする働きをしています。

ピルを服用すると、脳は自分の卵巣から卵胞ホルモン(エストロゲン)や黄体ホルモン(プロゲステロン)を分泌する必要がないと判断するため、それらの分泌を促す卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンの分泌が抑制されます。
なぜなら、ピルを服用すると卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモン(プロゲステロン)といった卵巣から分泌されるはずのホルモンが身体の中に十分補給された状態になるからです。
つまり、脳がすでに排卵後の状態であると判断するようになります。
排卵後脳が卵胞刺激ホルモンと黄体化ホルモンを分泌して卵巣からのホルモン分泌を促すか否かは、エストロゲンとプロゲステロンの血中濃度によってコントロールされています。

そのため、ピルを服用すると脳から分泌される卵胞刺激ホルモンと黄体形成ホルモンの分泌が減少し、卵胞が発育しなくなり、排卵が起こらなくなります。
これがピルを服用することで排卵が起こらなくなるメカニズムです。
排卵がなされていなければ、たとえ精子が子宮内にあったとしても、そもそも卵が存在しないので受精することはありません。
その結果、ピルを服用すると避妊が可能となります。

より詳しく説明すると、思春期以降の女性の卵巣には、数万から30万程度の卵子が存在しています。
1つ1つの卵は卵胞と呼ばれる小さな袋で包まれていますが、その中から1つの卵子が選ばれ卵胞から飛び出します。
これが排卵と呼ばれるものです。
排卵によって空になった卵胞は、その後黄体と呼ばれる黄色い組織となって、盛んに「卵胞ホルモン」と「黄体ホルモン」を分泌するようになります。

この2つのホルモンが子宮内膜を厚くし、受精卵が着床しやすい環境を整えていきます。
受精卵が着床して妊娠が成立すると、さらにこの2つのホルモン量は増加します。
妊娠が成立しない場合には、黄体の機能は次第に低下するため、黄体の機能が低下していくと黄体ホルモンや卵胞ホルモンの分泌も少なくなっていきます。
その結果、子宮内膜が剥脱して生理が始まります。

ピルを服用すると、脳がホルモンを分泌していないにも関わらず、卵胞ホルモンと黄体ホルモンの血中濃度が高い状態となります。
女性ホルモンの血中濃度が高い状態になっているため、脳は妊娠していると勘違いしてホルモンを分泌しなくなります。
脳がホルモンを分泌しなければそもそも排卵は起こりません。
したがって、ピルを服用することによって身体の中の女性ホルモンの血中濃度を高めれば、脳から排卵を促すホルモンが分泌されなくなり、避妊が可能となるのです。

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